オファツムマブ(Ofatumumab)は、白血病細胞の細胞膜にあるCD20抗原というタンパク質に結合し、白血病細胞を破壊する作用を持つ新規のヒト型モノクローナル抗体薬です。

オファツムマブは、慢性リンパ性白血病(CLL)に対する治療薬として、2009年に米国で、2010年には欧州で承認されました。また、日本では再発又は難治性のCLLに対する治療薬として2013年3月に承認されました。

クロラムブシル(Chlorambucil)は、アルキル化剤と呼ばれる抗悪性腫瘍薬で、腫瘍細胞のアポトーシスを誘導することで、腫瘍細胞を死滅させると考えられています。クロラムブシルは、海外(欧米を含む)では慢性リンパ性白血病、悪性リンパ腫の治療薬として使用されています。

2012年4月より、未治療のCLLの患者さんを対象に、オファツムマブとクロラムブシルとの併用療法の効果と安全性を調べるための国内第1/2相試験が、また2013年4月より未治療のCLLの患者さんを対象に、クロラムブシルの効果と安全性を調べるための国内第2相試験が開始されました。臨床試験の名称は

「未治療慢性リンパ性白血病患者を対象としたオファツムマブとchlorambucil併用の非対照、非盲検、第1/2相臨床試験」
「未治療慢性リンパ性白血病患者を対象としたchlorambucilの非対照、単群、第2相臨床試験」

となります。

試験の目的は、オファツムマブとクロラムブシルを併せた治療を受けた場合、またはクロラムブシルのみの治療を受けた場合の効果と安全性をそれぞれ確認することになります。また、対象となる患者さんは2つの試験とも同じで、CLLに対してまだ治療を受けておらず、治療を開始することが必要となった患者さんです。

この臨床試験は、日本国内で、現在(2013年5月時点)も行われています。国内では、以下の都道府県にある医療機関のいくつかで、この臨床試験が行われます。

「宮城県、東京都、神奈川県、愛知県、京都府、福岡県」

この臨床試験に関するより詳しい情報(お問合せ先を含む)は、以下の医薬品情報データベースに公開されています。
>>医薬品情報データベース

医薬品情報データベース(JAPIC)

▲医薬品情報データベース(JAPIC)

検索をする際には、「臨床試験情報」のボタンをクリックし、「疾患名」に「慢性リンパ性白血病」、「試験薬剤名」に「chlorambucil」と入力し、「検索」ボタンをクリックします。

臨床試験を実施しているグラクソ・スミスクライン株式会社では、臨床試験の適正な実施や患者さんの個人情報保護などの観点から、医療関係者以外の方からのお問合せには対応していませんので、ご了承ください。

なお、一般的に臨床試験は、従来の治療薬や治療法よりも有効であると期待される新薬や新しい治療法などについて、その有効性や安全性などを確かめることを目的として行われますが、期待された効果がみられない場合や、思わぬ副作用が生じる場合もあります。臨床試験への参加を考慮する際には、主治医の先生ともよく話し合い、十分に納得し同意した上で、参加することをお勧めいたします。

(関連リンク)

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(国立がん研究センターがん情報サービス)

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(国立がん研究センターがん情報サービス)